【劇場版きんいろモザイク Thank you!!】「ありがとう」と言わせてほしい【感想】
8月20日。ついに待望のきんモザの劇場版が公開されましたね。
近場の映画館で早速見てきたので軽く感想を話していこうと思います。
上映前にグッズもいくつか買ったのですが、初回の上映が終わって出てきたら、カレン・綾・陽子のアクキーが売り切れていてヒヤッとしましたね。ちなみに私は推しの陽子だけアクキーを確保しました。ごちうさDMSのときに初回上映前に物販の長蛇の列ができていて絶望した記憶があったので、今回はよかったです。
ちょっと小話を挟んだところで、映画の感想に移っていこうと思います。
※映画のネタバレを含む内容になります。ご注意ください。
絶妙な配分のストーリー構成
公式サイトのあらすじだと修学旅行と進路というテーマについてしか触れておらず、映画のカットを見てどんな構成なのか気になっていた人が多いのではないでしょうか。私も約80分にどう物語を詰め込むのか、かなり懸念していました。
しかし蓋を開けてみれば、高校卒業後のアリスとしのが回想する形で修学旅行編を起点に厳選した進路にまつわるエピソードを上手く繋ぎながら受験と卒業まで巧みに描かれており、感嘆しました。各エピソードの重要なところだけ抽出して小ネタレベルのギャグはカットされていたりするので、ダイジェスト気味であるのは否めませんが、80分という制約のなかで最高のクオリティに仕上がっていると思います。
やはり安定感のあるギャグ
私が本映画で最も強く感じたのは、ギャグの安定した面白さですね。
きららではギャグに定評のあるきんモザですが、映画でも遺憾なくその魅力が発揮されていました。冒頭の修学旅行編は見どころが多く、個人的にはアリスが京都の名所を紹介して、しの&綾がリアクションをする件がかなり好きでした。カットされなくてよかったです。
ギャグという点で注目すべきは綾ですね。初期からボケ側の気はありましたが、もうこの頃にはしのをも凌ぐ(ダジャレではない)一線級のギャグ要員になっています。修学旅行編で恋バナをしたいがために枕投げで無双し、カレンの冗談もガンスルーして恋バナを求める綾はなかなかの強者です。また、綾はかなりの恋愛脳なので、恋愛っぽいことが絡むと周りを振り落とす勢いで暴走しますが、その辺りは金髪で暴走するしのと穂乃花に通ずるものがありますね。好きなものがある女の子は強い。
あとは「トーテムポールの歌」、「そわそわダンス」に続く「合格の舞い」という謎ネタが誕生したのも印象深いですね。厳密には原作にもありますが、動きと掛け声が付いたことで強烈なネタに進化しました。円盤が発売されたら、音MADが作られそうな予感がします。
胸が温かくなるストーリー
キャラの可愛さやギャグに隠れがちですが、きんモザはストーリーも魅力的です。進路というシリアスなテーマだっただけに、キャラの人間的魅力が光っていたと思います。
綾と陽子の面接練習では二人の関係性の進展、特に綾が陽子に素直な気持ちを伝えられたところに成長がよく感じられました。また、今回はアリスとカレンの関係性の描写が比較的多めで、普段元気なカレンのアリスに対する思いやセンチな一面が見られて非常によかったです。ちなみに私はきんモザのCPはアリカレが一番好きです。
いいシーンばかりでしたが、私が一番好きなのは猪熊兄妹が絵馬で陽子の合格祈願をしているところです。素晴らしきかな家族愛。
総評:原作ファンへ贈られた最高のご褒美です
『劇場版きんいろモザイク Thank you!!』は最高の映画でした。きんモザが名作であることを再確認しました。原作ファンへのご褒美という表現が個人的にはしっくりきますね。
原作という単語を聞いて「アニメしか見ていないファンはどうなんだ!」と思う方もいるかもしれませんが、率直に言うと原作を読んでいるかどうかは映画の評価に関わってくると思います。何せだいぶ端折っているので、できるなら原作は読んだ方がいいです。ただ、テレビアニメ、Pretty daysときてこの映画を見て原作に触れた場合は、逆の視点から映画と原作の違いを楽しめるかもしれません。原作を薦めたい理由の一つに最初にアリスのモノローグでキャラ紹介があるのですが、香奈を「魔法少女が大好き」と紹介しているにもかかわらず映画では香奈のオタクっぷりがまったく出てこないので、既読者向けの内容になっているんですよね。これを見に行く方の大半は原作を読んでいると思っているのですが、アニメだけ追ってこの映画も見るというパターンの方もいるかもしれないと頭によぎったので、説明を付け加えました。
この映画できんモザのアニメをもっと見たいという欲がグッと強まったので、これが最後かと思うと名残惜しい限りです。きんモザからはたくさんの幸せをもらえました。副題が「Thank you!!」ですが、むしろこっちが「Thank you!!」ですよ。原作者である原悠衣先生をはじめ、『きんいろモザイク』に携わったすべての方へ、「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。
今日は短めですが、そんな幸せな心地で終わろうと思います。お読みいただきありがとうございました。